落水荘の構造的特徴「カンチレバー」についてー住む人を自然に近づける建築家フランク・ロイド・ライト

建築

はじめに

落水荘は近代建築の三大巨匠であるフランク・ロイド・ライト設計の建築物です。
建築を学ぶ学生なら誰もが学ぶ建物の1つだと思います。

そしてこの落水荘はとても構造と建てられている場所がとても特徴的です。
この記事では、基本だけを抑えていきたいと思います!

近代建築の始まり「モダニズム建築」について

モダニズム建築は、鉄とガラス、コンクリートなどの工業製品を使って合理的精神のもと、ゴシックやバロック様式の装飾を一蹴し、新しい建築をつくろうという流れです。

無駄な装飾を減らし、白を基調とした四角い建築が多いため「白い箱」「豆腐」と言われたりします。
ル・コルビュジエのサヴォア邸や、ミース・ファン・デル・ローエのファンズワース邸、フランク・ロイド・ライトの落水荘などが当てはまります。

新素材の登場

19世紀の産業革命は建築材料にも大きな影響を与えました。鉄の生産によって鉄筋コンクリート造や鉄骨造という構造が可能になり、ガラスが大量生産されるようになりました。これにより開放性、透過性といった壁構造から解放が可能となりました。

  • デザインの自由度→構造的な制約からの解放
  • 機能性と合理性 →過去の様式からの解放

世界三大巨匠について

この新材料をうまく取り入れたのが世界三大巨匠と呼ばれる

  • フランク・ロイド・ライト
  • ル・コルビジェ
  • ミース・ファン・デル・ローエ

の三人です。

フランク・ロイド・ライトについて

建築家を知ることは建築を知ること。 まずは、ライトについて知りましょう。

フランク・ロイド・ライト(1867~1969)はアメリカの建築家です。

ライトはアメリカ中西部のウィスコンシン州で生まれ育ちました。 1886年にウィスコンシン大学マディソン校土木科に入学しましたが、翌年にはジョセフ・ライマン・シルスビー(1848~1913)の事務所に就職しました。シルスビーはヨーロッパスタイルの建築ではなくアメリカの建築スタイルの一つのプレイリー派でした。当時のアメリカではこのスタイルは主流ではなかったそうですがライトは大きく影響を受けています。

フランク・ロイド・ライトのキーワードは「住む人を自然に近づける」

落水荘の基本情報

  • 設計者-フランク・ロイド・ライト
  • 依頼主-エドガー・カウフマン
  • 所在地 – アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 ミルランの山の中
  • 面積-495㎡
  • 年代-1936
  • 構造-カンチレバー(片持ち梁)

落水層の特徴について

落水荘の構造的特徴1「カンチレバー(片持ち梁)で滝の上に建てる」

落水荘の最大の特徴は滝の上にあると言うことです。

最初依頼主のエドガーは「滝を見ることのできる家を作ってほしい」と

と依頼したそうですがライトは滝の上に家を建てました。

それに対しエドガーは「滝を見る家を建てろといっただろ」といったそうです。

しかし、それに対してライトは「そんなことを言っているようではこの建築に値しない」と言ったそうです。

それほどライトにはこの滝の上に立てる重要性が見えていたと分かりますね。

これを実現させたのはカンチレバー(片持ち梁)による構造です。部屋が飛び出たようなデザインになり、下に川が流れ、滝がある。

とても特徴的な建築物ですし、とても貴重な建築物と言えますね。

落水荘の構造的特徴2「構造による広がり」

落水荘には様々な手法、そしてライトの「自然」への特徴が多くあります。

まず、特徴的なのはカンチレバー構造という部屋が飛び出てる構造とプレーリー住宅という横長、水平の建築です。

この建築構造はあまり見かけないので想像しにくいと思います。

理由としては日本に向いてる建築構造ではないと言うことがあげられます。

幅広く背の低いプレーリー住宅は日本の狭い空間に家を建てるのに向いてないし

カンチレバー構造は普通の家だと難しいからですね。

でも、この二つの構造、住宅は自然と家を繋げるには重要なポイントとなります。まず、カンチレバー構造は建物が縦一直線ではなく外に飛び出る分、外の空間を感じることが出来ます。またプレーリー住宅は天井が低くく大きな横窓があります。これは中から外へ意識を向かわせる効果があります。

そして外を見ると森の木々を眺めることになります。自然と外に意識を向けさせる工夫ですね。

そして、滝の上の家。想像してみて下さい。

きっと滝の水が落ちる音が聞こえますよね。

そんな音を聞きながら自然を眺めることができる。

これこそ「自然」との繋がりと言えるでしょう。

そして部屋と部屋の境目、部屋とテラスの境目に段差がありません。

これも家の中から外までが1つになっている自然に溶け込むということです。

また、滝の上に家を建てたため家の中から水辺に降りれる階段があります。

これも家の中から自然と繋がるということ。

このように自然との繋がり、自然の明るさ、自然の音。これを取り入れて作られたのが落水荘ということです。

終わりに

有機的建築(オーガニック・アーキテクチャー)を提唱したライトは現代の建築に大きく影響を与えました。

日本にもライトの建築作品があり、また弟子が特徴を引き継いだ建築を建てています。

おすすめ本

コメント

  1. rupannzasann より:

    きれいだな~と思うと同時に、湿気すごそう・・・と考えてしまうあたりが庶民なんでしょうね。

  2. nyanteicafe より:

    おはようございます。
    楽しんで学んでいらっしゃるようですね。
    ライトは本当に素晴らしい建築家で、日本にも彼の作品が幾つもありますので、是非ご覧になると良いかと思います。
    図面も美しい図面ですし、是非自分が設計した建物の透視図は自分で描けるようだと良いですね。
    何を表現したいかは、設計者が一番判っているのですから・・・
    多くの昔の建築家は、自分で書いていたと思いますが、そして、貴方が一級の資格とる時は、何番になるのでしょうね。
    ブログが続けられていたら、是非番号は知りたいですね。
    身の回りのすべてが、建築とかかわりのある物ですから、是非スケッチブックを持ち歩いて! 写真もですが、描いたもの方が、よく観察しますからね。
    これからの若い建築家はどのような建造物を作るか楽しみです。
    是非日本らしさを忘れない物を、気候に合わせた建物を建ててください。

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