はじめに
ファンズワース邸は現代の建築の始まりと言ってもいいと思う建築です。鉄骨の骨組みで全面ガラス張り。
透明感のあるミニマルな建築となっています。
この記事はでファンズワース邸とミースの基本を押さえていきたいと思います。
近代建築の始まり「モダニズム建築」について
モダニズム建築は、鉄とガラス、コンクリートなどの工業製品を使って合理的精神のもと、ゴシックやバロック様式の装飾を一蹴し、新しい建築をつくろうという流れです。
無駄な装飾を減らし、白を基調とした四角い建築が多いため「白い箱」「豆腐」と言われたりします。
ル・コルビュジエのサヴォア邸や、ミース・ファン・デル・ローエのファンズワース邸、フランク・ロイド・ライトの落水荘などが当てはまります。
新素材の登場
19世紀の産業革命は建築材料にも大きな影響を与えました。鉄の生産によって鉄筋コンクリート造や鉄骨造という構造が可能になり、ガラスが大量生産されるようになりました。これにより開放性、透過性といった壁構造から解放が可能となりました。
- デザインの自由度→構造的な制約からの解放
- 機能性と合理性 →過去の様式からの解放
世界三大巨匠について
この新材料をうまく取り入れたのが世界三大巨匠と呼ばれる
- フランク・ロイド・ライト
- ル・コルビジェ
- ミース・ファン・デル・ローエ
の三人です。
ミース・ファン・デル・ローエについて
ミース・ファン・デル・ローエ(1886~1969)はドイツの建築家です。
ミースはドイツのアーヘンに生まれ育ちました。大学で正式な建築教育を受けることはなく、地元の職業訓練学校で製図工の教育を受けた後、リスクドルフの建築調査部で漆喰装飾のデザイナーとして勤務しました。
1906年にブルーノ・パウルの事務所に勤務し、1907年に最初の作品であるリール邸を手がけました。この仕事が認められたことで、1908年から1912年まで建築家ペーター・ベーレンスの事務所に在籍し、建築を学びました。そして1912年、独立して事務所を開設します。
ミース・ファン・ディル・ローエのキーワード
「Liss is more.」(少ないことは豊かなこと)
「God is in the detail」(神は細部に宿る)
ファンズワース邸の基本情報
- 設計者 – ミース・ファン・ディル・ローエ
- 依頼主 – エディ・ファンズワース
- 所在地 – アメリカ合衆国 イリノイ州 シカゴ郊外
- 面積 – 139,35㎡
- 年代 – 1945~1951
- 構造 – 鉄骨の構造体に全面ガラス張り(ワンルーム)
ファンズワース邸について
ファンズワース邸はミースが提唱した「ユニバーサル・スペース」と名付けられた空間によって構成されています。
現代建築の特徴の白色とともに新素材・鉄が可能にした壁なしの家の限界とも思える全面ガラス張りという斬新な家で「Less is more.」を実現したワンルームの住宅です。
室内はキッチン、バスルーム、トイレのみで限りなくシンプルな部屋となっており、現代でいうミニマリズムの先駆者と言ってもいいでしょう。
また、いすやベッドを自分でデザインしています。
ユニバーサル・スペースについて
ユニバーサル・スペースとは
ユニバーサル・スペースとは「どのような機能にも対応できる均質かつ普遍的な空間」というものです。
その空間に機能を持たせるのではなく、使う人が機能を決めるような空間という風にも言い換えられると思います。
構造的特徴
鉄骨の柱と梁を使い、ラーメン構造にすることで支えています。そのため壁に荷重はかからず、全面ガラス張りという設計が行えます。
また、ミースは「God is in the detail」というように細部までこだわり抜いた設計をしています。
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